CeSPIAについて
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会社案内
株式会社CeSPIA(呼び方:セスピア)は、2017年4月17日に藤吉好則博士(名古屋大学客員教授[当時]、東京科学大学(旧東京医科歯科大学)特別栄誉教授[現])と日本電子株式会社(代表取締役社長 大井泉[現])との共同出資で設立されました。
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設立の背景
近年、新薬開発に活用できる手法と期待されるクライオ電子顕微鏡 ※1を用いたタンパク質の構造解析手法が急速に発展しています。クライオ電子顕微鏡を用いれば、従来の方法では解析が困難であった複雑で大きいタンパク質複合体などでも比較的短期間に構造解析が出来るようになり、これまで構造情報の得られなかった創薬標的に対する新たな情報が得られるようになってきました。
それゆえ、クライオ電子顕微鏡を用いた構造解析法が、新薬開発において注目されはじめています。一方で、クライオ電子顕微鏡を用いた高分解能の立体構造解析は、熟練した技術やノウハウが必要とされ、難易度も高いため、新規創薬戦略として活用される段階には至っておりません。
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事業内容
・株式会社CeSPIAでは、クライオ電子顕微鏡などを用いた膜タンパク質の構造解析を行う受託
サービスなどを提供します。
・日本電子株式会社が藤吉取締役と開発した安定的かつ高効率で構造解析を行うことができる
クライオ電子顕微鏡を用いることで、タンパク質の高分解能の構造情報を短時間で提供すること
が可能です。
・試料作製、データ収集、構造解析などの困難であったタンパク質の高分解能の立体構造解析関連
の研究を受託の形で利用していただけます。また、株式会社CeSPIAでは、ドラッグレスキュー
戦略 ※2に基づく、新薬開発に関するコンサルタント業務も行います。これにより、新薬開発の
効率向上支援を行います。
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※1 薄い氷の膜に包埋した無固定・無染色(生)のタンパク質などの構造を原子レベルで観測計測するために試料を冷却して電子顕微鏡像を撮影できる装置。近年、画像検出カメラの高性能化とコンピュータ解析技術の飛躍的発展により、解析精度とスループット向上し、構造解析の強力な装置となってきた。
※2ドラッグレスキュー戦略とは、藤吉取締役が命名した創薬戦略で、強い副作用・不十分な薬効などの理由で開発が中止となった候補化合物に対して、標的分子との結合状態の構造を高分解能で解析することにより、副作用を低減できる薬物設計を行うことにより、薬として再生する創薬戦略。クライオ電子顕微鏡法により、従来の手法では解析困難だった候補化合物と標的分子との結合状態に関する詳細な情報が短期間で得られるようになったため、ドラッグレスキュー戦略が現実的な新規創薬戦略になると期待されている。